#TOEIC公式みんなで模擬受験 | 英語教育界やら翻訳などなど


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もしかして天才かな

2020年6月28日、YouTubeを使ったTOEICの公開無料模試が行われました。コロナウィルスの感染拡大で数ヶ月にわたってTOEIC試験が中止されているため、受験者のモチベーション維持のために開催されたようです。TOEICを受けようなどそれまで考えてもいなかったのですが、英語力の向上を目指す身として、実力試し(&タダだし)と思い立ち、リアルタイムで受験してみました。(2020年8月31日まで受験が可能だそうです。2020年9月30日まで延長されたそうです。)

私のTOEIC経験は確か25年ほど前。1、2回受けて、最高スコアは600。内容が色々変わっていると何かで読んでいたので、今回は模試の前日夜にTOEICのサイトに行って、リスニングの問題形式だけチェックしました。

そういうわけで準備ゼロで挑んだ模試。結論から言うと、参考スコアが825〜865!リスニングが88/100、リーディングが83/100です。 我ながらよく頑張りました。リーディングの最中に眠くなって一瞬気を失ったり、面倒になって続きはまた今度にしようかな(そして「また今度」は絶対に来ない)という心の悪魔のささやきも何度もありましたが、何とか我慢して制限時間ギリギリに最後の問題までたどり着きました。

単語を増やす地道な努力はゼロ、文法の勉強もほとんどせず、英語のビジネス文書なんて見たこともありません。ただひたすら英語のPodcastを聞いていただけ。リーディングは「なんとなく違和感ないのはこれ?」というノリで解答しております。なぜその解答を選んだのかと聞かれても雰囲気、としか言いようがない。聞いた事あるけど意味ははっきりとは知らない単語だらけだし。 もしかして私、超能力者英語の天才なのでは?


まだまだ甘いぞ愚か者め

と、大変機嫌が良くなった翌日、ランカシャー出身者とリヴァプール出身者(はーと)による1時間に渡るインタビュー動画を意気揚々と見たのです。そして一瞬で自分の実力のほどを思い知らされました。多分半分ぐらいしか聞き取れてない。英語の道は本当に長いなー。


TOEICのリスニング問題は4、5カ国の英語(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア(&ニュージーランド?))のアクセントがミックスして出題されているんだそうです。かなり平準化というか、ソフィスティケートされたアクセントで、私が普段聞いているイギリスのRPやBBC英語に近く、全体に違和感無くとても聞きやすい印象でした。

しかし英語の現実はそう甘くない。 周囲の雑音、話し手の語彙の多彩さ・声の大きさ・ 滑舌に加え、当然のことながらアクセントになじみが無いほど聞き取りにくい。リヴァプールやマンチェスター、コックニー、エスチュアリーのアクセント、オーストラリアのアクセントなどは聞き流している分には大好きなのですが、 特にリヴァプール、マンチェスターは内容がさっぱり把握できないので、もしそのアクセントの人と会話する機会があったら、きっと話は全然通じないのにただニヤニヤしている人になる。うん、日本人相手でも大体普段からそういう感じだけどね。


英語のアクセントで炎上騒ぎ

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英語のアクセントといえば、6月初旬に有名YouTuberの英語の先生が、自身の動画が原因で謝罪に追い込まれるという出来事がありました。私が騒動を知ったのはすでに炎上してしまったご本人の謝罪動画が出た後で、元の動画は見ていません。

ことの発端は、有名YouTuber先生(RPアクセントで話すイギリス人)が「プロフェッショナル*だと思われたかったら避けたい10の単語の発音」という内容の動画をアップして、それが有名なニュースサイトにも掲載されたことだったようです。

*ここでいう ‘プロフェッショナル’ とは知的な職業についている専門家、というニュアンスのようです。その後の展開から察するに、元の動画の内容はRPアクセントでこの単語を言うと賢そうに見られるよ、という内容だったものと思われます。

これに対して「それじゃ俺は永遠にスタートラインにも立てないわ~」「イギリスのRPだけが ‘知的’ だといいたいの?」など、英語教育に係わる人たちを中心に多くの異議が寄せられた*模様。中でもオーストラリア人の有名YouTuber先生が、英語教育業界に蔓延する「病」について自らの見解を示した動画は、私にとって非常に興味深いものでした。

*ちなみにその後すぐに発端となった英国人先生が謝罪の動画を公開して元の動画を削除したので、騒動自体はすぐに鎮静化したものと思われます。


オーストラリア人先生の動画で私の理解できた概要は以下のとおりです。(私が変な解釈しているようでしたらご指摘ください。なんせ私の英語力…)

・人間は概ね生後10ヶ月から、自分の周りの音を聞いて同じような音を発し始め、その他の不要な音を排除するという研究があり、これは大人になってからアクセントを変える事が非常に難しいことを意味している。

・あるアクセントが他のアクセントより知的で高等教育を受けておりプロフェッショナルであるという根拠は無い。

・しかしこういった ‘スタンダード・イングリッシュ’ や ‘ネイティブ・スピーカー’ に対するこだわりという事象は何百年も前から続いていて、これは今回の騒動の原因になった動画だけではなく、英語教育産業全体が抱えてきた問題である。「特定の場所」で生まれたというだけで、資格も経験もない教師がありがたがられ、その一方で熱心で専門知識を持った教師がアクセントのために排除されてきた。

・2013年のイギリスのオンライン調査によると、回答者のうち37%がリヴァプール・アクセントを「知的でないと感じる」と回答しており、たいていの場合、女性がよりそのような偏見の被害にあいやすい。 一方で ‘スタンダード・イングリッシュ’ を話す ‘男性’ は良い職業に就く確率が高い。

・英語は誰のものでもない世界言語。言葉はそれを使う個人に属するものであって、社会的に平等なものである。

・コミュニケーションを成功させるために、ある特定のアクセントを身につける必要は無い。

・言語の習得はとても難しいこと。それを成し遂げるには非常に長い時間がかかる。語学教育についてのノウハウも専門の知識もないにもかかわらず、ネイティブ並みになれるなどと不可能な事を謳う英語教師に時間とお金を無駄に使わないで欲しい。教師の出身地で英語教師を選ぶのは大きな誤りである。教育者としての能力で教師を選ぶべき。英語を学ぶ皆さんが正しい選択をする事が、この業界を変えていく重要な力になる。

・私達は生まれたところや皮膚の色、財産や職業で人を判断することが許されないことを知っている。いつの日か、アクセントで人を判断する事が同じように不快なことであるという認識が常識になるように願っている。

Prejudice in the ELT industry | Why we need change

他の動画を見ると、どうやらこのオーストラリアの先生は普段から英語教育界に疑問を投げかけているようで、今回の騒動はこの先生が問題視している現状を「ほらね」といってみせるのに好都合な案件だったとも言えます。

やや理論に飛躍があるようにも思うし、この主張に全て同意するかどうかは別にして、私が知っている有名な英語学習系のPodcasterやYouTuberは言われてみるとみんなアメリカ人かイギリス人かオーストラリア人だなと。 イギリスの主要な産業は「金融」ですが、実は「教育」もかなり大きな外貨獲得手段だと聞いたことはあります。 イギリス英語のある種のアクセントをステータスだと思う層が一定数いるということだとは思います。

一方Ph.Dを持っていてネイティブですら難関といわれる国際的な英語教育資格を持っているにも係わらず、あまり人気のない非ネイティブの先生というのもYoutubeやPodcast界隈でたまに見かけます。

考えてみると凄いことなんですけどね。 例えば日本生まれ日本育ちの人が韓国ネイティブの先生と肩を並べるぐらいの韓国語の先生になるようなものです。そういう先生はもちろん無資格のネイティブの韓国人よりも韓国語を教えるのが上手いに違いない。


私自身確かに無意識のうちにRPとかネイティブにこだわってるところがあって、その結果現実的な英語への適応が遅れてるのかもなと気づかされました。RPは聞き取りやすいんだけど、そりゃRPばっかり聞いてるからだろうね、っていう。例えばアメリカ人にはすごく聞き取りにくいらしいですねイギリス英語(下記日本語がペラペラのアメリカ人がイギリス英語がどういう風に聴こえるか日本語で表現した動画です。とても面白かった)。


実際ロンドンに行ったらアフリカ系、インド・パキスタン系、イスラム系とか中国系とか、世界中にルーツがありそうな方が大量にいるし、英語の癖も本当に様々です。RPとかBBC英語ばっかり聞いてる場合じゃない。今世界で一番英語を話している人口が多いのは中国人だというし。

というわけで、この動画を見てから今までよりかなり意識して色んな英語を聞くようにしているし、今まで避けていた日本人の英語お勉強系YouTuberの動画なんかも見るようになりました。ここ1年半ほどで少しはリスニングが上達したと思うので、次のフェーズに進むよいきっかけになったと思います。


映画「風と共に去りぬ」のお手伝いさんの「〇〇ですだ」字幕問題

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そんなタイミングで、この記事を読んでしまったのですよね。昨今のポリコレ系の話は無教養な私としては何を読んでも「なるほどなぁ」と「そうかなぁ」の間を行ったり来たりしていて、正直何にもいえないんですが…。

マイ・フェア・レディなんて物語は今後存在することすら許されなくなっちゃうんでしょうか。イギリス人の中にリヴァプール・アクセントを「知的でないと感じる」 人が居るのが事実だとして、例えばリヴァプール・アクセントに対する偏見を描いた物語なんかがあったとしたら、翻訳する時にどういう風に扱うのが良いんでしょうか。

例えばハリウッド映画に日本語訛りの英語を話す日本人が登場するとします。(すでに沢山登場してますよね。)もしその人のセリフを日本語に翻訳するとして、「オラ、〇〇だ」「〇〇でごわす」「〇〇じゃけぇ」という風に表現されて、それを不快だと思うとしたら、その「不快感」はどこから来るんでしょうか。

The Lord of the Ringsの映画も英語が分かる人が見るとキャラクターのアクセントが全部違ってて、それが良くも悪くも物語に深みを与えているそうなのですが、そこまで翻訳するというのはやっぱり不可能なのかなぁ。これはLuke’s English Podcastでも取り上げられていたトピックスですね。

上記記事の最後にある「さて、日本語訳『風と共に去りぬ』の中で、誰が誰を差別しているでしょう。 」ってひと言を思いだしては反芻している今日この頃ではあります。


[英語] 7ヶ月ぶりにEF Set Englishテストを受けてみた


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海外でも英語力の証明として使えるような試験はとても高額で、 英語を仕事に役立てようとか、ましてや今更留学しよう、などとは微塵も考えていない私はなかなか受ける気になりません。私にとっての英語は、海外で好きなミュージシャンの追っかけをする、ただその必要に迫られてやむを得ず取り組んでいるもの。 TOEICや英検の試験はまだ良心的な価格ですが、2万円以上する英語の試験なんてとてもとても…そんなお金があったら遠征代にする!

でもひとりで英語に取り組んでいると、自分が今どこに居てどこに向っているのか分からなくなります。そういう意味ではテストっていいなぁとたまに思うのです。モチベーションの維持にもなるし。そこで見つけてきたのがインターネットで無料で受けられるEF Set Englishテストです。


EF Set Englishは、オンラインでリーディングとリスニングを無料で診断してくれるテストです。2020年1月現在では15分の簡易版と50分の正式版を受けられます。(去年はさらに長い2時間のものがあったように思うんですが、気のせいかな?) 私のように具体的な目標も無く英語を学んでいる人間にとっては、ぴったりのテストだと思います。

主催者は証明書を発行しており、また、他試験とEF Set Scoreの対応表も公表していて、「国際的に認められた英語力の証明」 が出来ると強調していますが、多分 EF Set Englishテストの結果を海外の大学や企業に持っていっても相手にされないと思いますので、その場合は諦めて、TOEFLなりIELTSなりをお金を払ってしっかり受けたほうが良いでしょう。


私のほうは某ミュージシャンの2019年3月のツアーが終わった時点で次のリリースやツアーの日程が全く発表になっていなかったため、完全に抜け殻のようになりつつあったのです。

これではイカン、次のツアーまで時間が空くという事はその間に英語の勉強をする時間がたっぷりあるということではないか、むしろこれは朗報…といつものように無茶苦茶な理屈で自らをポジティブ方向に納得させ、最初のEF Set Englishテストを受けたんだったと思います。記録によると2019年の5月27日。


これはLuke’s English Podcastを8~9ヶ月ぐらい聞いていた頃だったと思います。Luke先生が 何かの時に 「自分のPodcastをここまで45分以上寝ないで聞いてるんだとしたら、最低でもB1レベル以上はある」と言っていたので、B2の結果が出てまぁ妥当かなと。


で、2020年1月17日ですよ。

おお、進歩してるじゃん!


言語習得の過程では、特にB2(中級者の上)からC1(上級者の下)の間の学習期間を「intermediate plateau(中級者の停滞)」と呼んでいるそうです。つまり、初心者から中級者になる間は日々自分でも進歩が自覚できて楽しいのですが、中級者から上級者に至るには、自分で進歩が見えなくて心がくじけそうになる、辛くて長い「long and winding road」が待ち構えている、ということです。

外国語習得のコンサルタントで8ヶ国語がペラペラで知られる(?)PolyglotsのOlly Richardsさんは、 intermediate plateauを乗り越えるにはとにかく毎日その言語に触れ続けるしかない、という血も涙も無いご意見のようでしたが(笑)、多分そういうことなんでしょうね*。

*余談ですが、個人的に「簡単に〇〇が出来る〇〇」と「ネイティブは絶対使わない、日本人が間違えやすい〇〇」みたいな煽り文句のブツには一切触れないように、というかむしろ憎しみを持って近づかないように気をつけています。私は英語で話す時に文法や言い回しの間違いを恐れてるレベルじゃないわけです。予約したホテルにたどり着けるのか、次の町までちゃんと移動できるのか、私にとっては英語は生きるか死ぬかの問題なのです。机上で不安を煽るスットコドッコイは引っ込んでろ、といいたい(鼻息)。精神衛生上絶対良くない。


今回私は図書館にいる時にふと思い立って、iPhoneでテストを受けてみたのです。しかしiPhoneで試験はやはりお勧めしません。っていうか絶対止めたほうがいい。

EF Setのテストでは50分の試験のうち、前半25分がリーディング、後半25分がリスニングです。で、リスニングは課題の文章を最大2回まで聞けることになってるんですが、たまたま私のiPhoneやブラウザとの相性が悪かったのか、リスニングの全ての問題で課題を1回ずつしか聞けませんでした…。1回しか聞けないということを明確に自覚するのに2問ぐらい使ってしまったので、最初の2問は適当に答えることになってしまいました。だからリスニングは本当はもっと点数が取れるはず!(言い訳)


ペース配分も難しいですよね。リスニングが1回しか聞けなかったせいもありますが、50分のところ、多分40分もかからず終わってしまった。すぐ諦めて雰囲気で適当に答えないでもう少し考えなさい自分。(しかし集中力が50分も持たないという面もある)

でも絶対私、C2イケてる!リスニングのほうが得意だし!!!(根拠の無い自信)

外国人観光客に道を聞かれても未だにひとことも答えられませんけどね。

リスニングとリーディングだけの英語の試験なんて所詮はそんなもの…。ちなみにCFERが定義するC1のレベルは下記のとおりです。笑ってしまう。(笑えない)

1. 様々な種類の難解な長文を理解し、背後に込められた意味を認識できる。
2.表現の仕方に悩むことなく自分の考えをよどみなく流暢に表現できる。
3.社会的、学術的、職業上の目的に合った言葉を柔軟かつ効果的に使える。
4.文型や接続語を使いこなし、複雑なテーマに関して明確で精緻な文章を作ることができる。

いやいやいやいや、ミリも出来ないわ。


とはいえ、ひたすら毎日英語のPodcastを聞いて、暇さえあればDoctor Whoを日本語字幕で見ているだけ(勉強になってない)ですので、C1はそんなに悪い結果ではないかなと。大切なのは7ヶ月前よりちょっとでも前に進んでいること。最近ネイティブ向けのYoutubeやPodcastを視聴しても、軽い内容なら以前より内容がつかめるようになってきた実感はあります。

ただ、圧倒的に語彙力が足りてないので、本を読んだりちょっと混みいった話になると完全にお手上げ。でも単語帳作って暗記するみたいなことをするつもりは今のところありません。絶対に続かない自信がありすぎる…。

それに偉い言語学者の先生の話によると、リスニングが行き着くところまで行き着くと、 英語が自然に口から出てくるようになるそうなので(笑)自らを実験台にして、楽しいと思えることだけやっていきたいと思います。We’ll see…



[リスニング] Luke’s English Podcastは神


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イギリス英語を学ぶためのPodcast

生来の怠惰のため、英語学習に挫折し続けて来た私が、 初めて1年間毎日続けることが出来ている英語教材(?)がLuke’s English Podcastです。私は毎日これを聞いています。2009年4月にスタートし、2019年9月現在で600以上のエピソード*を配信している有名Podcastです。ブリティッシュ・イングリッシュを標榜しているPodcastとしては、最も有名なもののひとつと言っていいのではないかと思います。

*1年間毎日聞いていますが、面白くて何度も聞いてしまうエピソードも多数あり、まだ全ては聞けていません。この記事を書きながら気が付きましたけど、私、Luke先生について気味が悪いぐらい異常に詳しい。…ストーカーかな?

Luke’s English Podcast


このPodcastをやっているLuke Thompson先生はDELTA資格を持つイギリス人英語教師。イギリスのミッドランド地方で生まれ、ロンドンで育ち、現在はフランス人の奥さんと娘さんと3人でパリに住んでいます。先生になりたての頃に、2年ほど日本に滞在して英語を教えていた経験もあります。英語の先生になったのは2001年頃でしょうか?経験豊かなベテランの先生です。

「世界中の生徒たちに英語を教えている中で、ネイティブの自然なスピーキングを聞く経験が圧倒的に不足している事に気が付いた」というのがこのPodcastを始めたきっかけだそうです。


Luke先生の話す英語はクリアなRPアクセント*のため、全てとは言えませんが、私でも大部分の話の流れを追うことが出来ます。Luke先生曰く、このPodcastの1時間半のエピソードを最後まで眠らずに聞く事が出来たら、リスニングのレベルはB1**以上との事です。でも、多分1ランク下のA2ぐらいでも、エピソードを選べば楽しく聞けるのではないかと思います。 Luke先生の素晴らしさは一言では語り尽くせません。私が特に良いと思っている点を思いつくまま挙げてみたいと思います。

* Received Pronunciationの略。非常に簡単に言うと、BBCのアナウンサーが話している英語ということのようです。RPで話すのはイギリスの全人口の約3%程度とのこと。
** CEFRのB1レベル。英検2級以上、TOEICで550点以上ぐらい。


バラエティ豊かなトピック

Luke先生は英語教師であると同時に、現役のスタンダップ・コメディアンでもあります。大学の卒業論文は映画について書き、元はバンド活動もしていたそうです。海外旅行に行けばかなり過酷なアウトドア・アクティビティをしているし、元は山登りやボルダリング、サッカーもやっていたようです。ストリートファイター2も大好きだったため、元々日本に親しみを持っていたとのこと。

とにかく興味の範囲が広い。既に600以上のエピソードを配信しているにもかかわらず「まだまだやりたいネタが沢山ある!」と言っています。非常に好奇心旺盛で、高い企画力の持ち主だと思います。


イギリス文化に興味がわく

イギリス英語を学ぶために、イギリス全般について知っておく事は非常に役立ちます。このPodcastではイギリスの文化や政治や日常についての話題が多く、自然に興味を持ち、学ぶことが出来ると思います。


もしかしてイギリス人はイギリス産のビールをあんまり飲んでないんじゃないかと思う今日この頃

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例えば’Episode.100 Going to The Pub‘では、「パブに行く」という一点について、お兄さんであるJamesさんと実際にパブで飲みながら1時間以上あーでもない、こーでもないと話をしています。パブではこう振舞うべきだ、いやそれは違うなどと、徐々に酔っ払ってくる2人の間でも意見がぶつかったりして、とにかくものすごい情報量です。きっとイギリス人は普段パブでこういうしょうもない細かい持論を戦わせてるんだろうなというのが分かり、2重の意味で勉強になります。

個人的に興味深いと思うのは歴史観に絡んでのエピソードです。一般のイギリス人であるルーク先生個人が、自国の歴史についてどのように捉えているかを知るのは非常に面白くて、それまであまり興味がなかったイギリスの歴史に関心を寄せるきっかけになりました。あくまでもルーク先生という一個人の見方ではありますが、専門家ではない、一般のイギリス人が、例えば、第二次世界大戦についてどう考えてるかなんて知る機会はなかなかないですよね。


ゲストも面白い

家族や友人も含めゲストのクオリティが高い!たまに招かれる他の英語学習Podcastの主催者や言語学習の専門家との会話もとても興味深く、英語学習のモチベーションの維持にもってこいです。

時折チェコ、フランス、中国など様々な国から、ネイティブではない英語話者も登場し、それも良いリスニングの練習になると共に、多くの人たちが、様々な理由で国境を越えて暮らし、言葉を学び、多彩な人生をおくっている話を聞く事が出来ます。 滅多に聞けない別世界の話なので、日本の地方に住む普通の会社員としてはとても刺激を受けます。

定番のゲストは下記のとおり。この他にも大量のゲストが出てきて、それぞれが面白い話をしてくれます。

【家族】
お父さん:元BBCのニュースレポーター。 Brexitをはじめとする政治・経済のニュースネタの時には、落ち着いた語り口で詳しい解説をしてくれます。

お母さん:家族全員出演のクリスマスのエピソードや、イギリス王室ネタの時に登場。お話しぶりからしてかなりインテリ×ポッシュなお母さんのようです。

お兄さん:ロンドンでグラフィックデザイナーをしている2歳違いのお兄さんとは大の仲良し。音楽の話、映画の話、休日の家族の話や子供の時の話など、多岐に渡る会話をしています。

【コメディアン仲間】
Paul Taylorさん:アップルコンピューターを辞めてフランスでスタンダップ・コメディアンになったイギリス人。英語、フランス語、スペイン語がほぼネイティブ並に使えるPolyglotだそうです。このPodcastが始まった当初は無名でしたが、YouTubeの動画がバズったことによってあっという間に知名度が上がり、自身の名を冠したテレビ番組を持ち、今ではフランスでは知らない人がいないほどの有名人になっているようです。面白くて私もすっかりファンになっています。フランス人の奥さんとの間に娘さんが生まれたばかりで、悪戦苦闘中。
Paul TaylorさんのオフィシャルYouTubeチャンネルはこちら

Amber Minogueさん:フランス人と結婚して、息子さんと3人でフランスに住んでいるイギリス人女性のスタンダップ・コメディアン。パリでツアーガイドの仕事もしていて、歴史や文化への造詣も深く、自身でもPodcastを持っています。一方で「若い頃にはパントマイムの学校に通うため、1日1ポンドで過ごしたこともある」という苦労人。「3人の中で最も賢く」て「世界一かわいい声」という位置づけで登場します。
あまり知られていないパリの裏歴史をテーマにしたAmberさんのPodcastはこちら


本音で語る

1年ほど前にこのPodcastを聞き始めて、私が一番最初にハマって繰り返し聞いたのは’Episode 118. Sick in Japan‘でした。

大学を出て、やりたい仕事も特に無く、実家に帰って鬱々と過ごした日々。とにかく早く家を出たくて、バルセロナ辺りで英語の先生をやろうかと思った時に、どうせ海外に行くなら、全然文化の違う日本まで行った方が面白いよ!と親友に薦められた事。ワクワクしながら数ヶ月かけて準備を整えたこと。

家を出る時にはお母さんに泣かれ、お父さんに車で送ってもらい、 空港で車を降りた瞬間に、知り合いもいない遠い国にひとりで行く不安と後悔が突然襲って来た事。 飛行機の中で何も食べられないほど日本に行くのが怖くなったこと。でも日本の空港に降りたった時、ここにも自分と同じように人間が暮していて、空気があって、重力があるってことが分かった、どうせなら楽しもう!と思ったこと。

私は成人男性が「不安と後悔でものすごく怖くなった」と本気で言っているのを初めて聞いたような気がします。恐らくリスナーの語彙にあわせるという目的もあると思いますが、ルーク先生がいつも(イギリス人らしからぬ)シンプルな言葉で率直に本音を語ってくれるところも、このPodcastの魅力のひとつだと感じています。


自身も第二外国語で苦労している

ルーク先生は上述したとおり、パリに住んでいます。が、フランス語の習得にかなり苦労しているようです。奥様は英語が堪能で、自身も英語を教えている為、フランス語を切実に必要とする場面があまりないのだそうです。

しかし、フランスに何年も住んでいるにもかかわらず、未だにフランス語が堪能だとは言いがたい苦悩については、たびたび語っています。「フランス語が話せない言い訳だけが日々上達している」状況との事。

「だから、僕は英語を学ぼうとしている人の気持ちが本当によく分かるよ!」ということです。


ヒーローとしての英語教師

Luke先生は時折冗談で、自分をヒーローになぞらえたり、世界を救うミッションを負っている、と話す事があります。でもこれはもしかしたら冗談ではないのかも、と時々思うのです。


とても普通の人っぽいのもLuke先生の良いところ

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世界中に様々な理由で英語を学んでいる人がいて、しかもその中には学ぶための時間やお金を充分にかけられない人が大勢いること*、大半の人が志半ばで挫折してしまうこと、でも英語を学ぶ事がいかにその人たちの人生をよい方向に変える武器になりえるかを、この先生はもしかしたら意識しているのかもしれません。

*Luke’s English Podcastは膨大な量の全Episodeが全て無料で聞けます!WOW!しかし投げ銭は常に受け付けていますし月500円ほどでPremium会員になるとレベルの高い有料エピソード(こちらはかなり濃密な英語の授業という感じ)も聞く事が出来ます。

そのため、飽きさせず、時には笑わせ、感動させ、励まし、ハッパをかけ、とにかくリスナーに英語の勉強を諦めさせないように、全力を尽くしているように思います。


Podcastっていいものだ

無茶苦茶熱く語ってしまいましたが、Luke’s English Podcastはイギリス英語だけではなく、とにかく英語を勉強したい方、イギリス好きの方、海外の文化に興味がある方なら、多分誰でも愉しめるPodcastだと思います。

Podcastの良い所は移動中や昼休み、お風呂の時間、家事の合間に、など何かをしながら聞けるところ。数時間の番組をいくつかスマホにダウンロードしておけば、通信量を気にする事もありません。寝る前にミルクティーを用意してのんびり楽しむのもおすすめです。 リスニングの効果は確実に出てます! 是非一度お試しあれ。

Luke’s English Podcast



英語の勉強が続かない問題


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それが私には楽しくなかったから*

*リーナス・トーバルズの本のタイトルをマネしてみました。ちなみに本は読んでません。

私が英語学習で一番大事にしていること、それは継続することです。

本当は、上のひと言で終わってしまいたいぐらいですが、もう少し噛み砕いてお話したいと思います。まず、個人的な事実として、私には面白くない事を続けられないという特性があります。誰でもそうだろう何を言ってるんだ、と言われるかもしれませんが、その、あたり前のところをよく考えてみたい。

例えば、海外旅行に行く。英語が全然聞き取れないし、言いたいことが口から出てこない。よーし心を入れ替えて、今度こそ本当に英語の勉強をしよう!と決心します。本屋さんに行って、 新しい本を買います。 家にも沢山の勉強本を持ってるけど、新しいのを買っちゃいます。

リフレッシュした気持ちで取り組めるように、おしゃれなノートやペンも一緒に買ってしまいましょう。3,000円ぐらい使って大満足。明日から頑張ろう☆と思います。


様々な英語学習サイトで言われているとおり、一日10分でもいいから机に座って参考書を開きましょう。継続は力なり!あーでも今日Twitter見てないんだよな~。机の周りちょっと片付けたいな…。このCD最近聞いてないなぁ。そういえばあのバンドの新譜出たんだっけ?あ、あの人がインスタ更新してる!日中見かけたニュースの詳細ってどんな感じよ?あ、Youtubeで良さそうな英会話の動画発見!etc…

買ってきた新しい参考書は、最初の1ページか、良ければ5ページぐらいまでは頑張って読みますが、2度とその本が開かれる事はありません。 だって面白くないんだもん。オワリ。


何度、同じ事を繰り返したでしょうか。とにかく続かない。どの英語の参考書も見せ方や内容に工夫を凝らしていて、興味を引くよう努力してるなぁ(他人事)と思いますが、正直、どれも面白くない。

特に大人向けの学習本だと、TOEIC対策という面もあるのでしょうけども、話題が難しく、当然使われている単語も難しくて、内容を把握するためのハードルが高いのです。

一説によると8割の人が英語学習を挫折しているそうです。2016年の調査ですが、 DMM.com のアンケートの数字がありました。この記事によると、挫折した経験がある人が84.7%。再度取り組んだ人もいるでしょうから、8割ぐらいが妥当な数字かもしれません。挫折する人が8割!じゃあ2割の人は続けてるの?そんなにいる?本当に?と思わなくも無いですが、とにかくたくさんの人が挫折しているのは事実だと思います。むしろ高価な教材を売り続けるために、挫折するように仕組まれているのでは?と、自分の怠惰を棚に上げて、謎の悪の組織に疑いをかけたくなるレベルです。


毎日参考書を開くなんて私には無理

私には無理なのです、毎日デスクに座って参考書。そもそも会社から帰宅した時点で、やる気なんて無くなっているんです。ゼロどころかマイナスです。帰宅した後に家事や趣味など何かやってる方は、心と身体の持久力が凄いなぁと思います。私はご飯も食べずにビールだけ飲んで、顔も洗わず寝てしまいたい。

ちなみに休みの日にカフェで勉強してるふりをするのは得意です。

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NHKのラジオ講座を聞く、BBCのラジオを聞く、BBC Learning Englishを聞く、TEDを見る、ドラマ「フレンズ」を英語字幕で見る、スカイプ英会話をやってみる、中学生レベルの文法書をひととおり終わらせる。瞬間英作文に英語アプリ、発音アプリ。あれこれ手をつけてみましたが、どれも私には続ける事が出来ませんでした。


自分の脳のご機嫌をとりながら、雑に継続する

「勉強というものは忍耐だ!英語をマスターしたいなら我慢と努力をせよ!瞑想だ!運動だ!野菜1日350gだ!」というご意見もあることでしょう。しかし私の脳はそのように出来ていません。

だいたい「今まで出来なかったことを出来るようになろう」としている訳ですから、脳が苦痛を感じない訳がない。脳は苦痛を感じれば感じるほど全力でその状況を回避しようとするでしょうし、インプットの効率も格段に悪くなるに違いない。

よって、私が英語の勉強の継続に必要としていたのは 「内容に興味があって面白いと思える」 「大体理解できる、でも簡単すぎない」「何か他の事をしながらする事が出来る」 教材でした。

ちなみに、上に書いた条件は、言語学者や言語習得の専門家の方が言っていたことの半分受け売りです。英語を勉強している中でのちに知ったセオリーですが、 言われてみれば私も似たような事を考えてたなと。

世にある大量の英語教材から自分に合ったものを見つけるのは割と大変です。英語のレベルも興味も人それぞれなので、絶対にこれが良い!などというものはないと思います。自分で「今の自分に合った」教材を探すしかないのです。英会話でも、小説でも、ドラマでも、参考書でも、動画でも、ラジオでも良いと思います。もしかしたら「人(いい先生とか英語しか通じない恋人とか)」かもしれません。教材がこれだけ大量にあるという事は、自分に合ったものもきっとどこかにあるに違いありません。


多聴、 多聴 、 多聴

私にとっての「自分に合っている」判断の目安は「クスッと笑えるかどうか」です。「初めてネイティブ同士の会話を聞いていてニヤリとしてしまった」「初めて英語だけの動画を5分間見て、大体内容がわかって、しかも面白かった」「映画でのやり取りが一部分だけ聞き取れた」。そういうほんの小さな成功体験がモチベーションの維持に繋がります。

きっかけが大切だと思います。毎日やっていれば、ほんの少しずつですが、理解も興味も自分の許容範囲も広がっていきます 。 私の場合、きっかけとなったのはある英語のポッドキャストでした。1年間、毎日最低1時間は欠かさず聞いています。勉強の為というより、最も楽に愉しめる娯楽だからです。耳で聞くだけなので目は疲れないし、イスに座ってる必要すらありません。


移動時間や食事の準備の時間はとても良いポッドキャストの時間です。全て集中して聞いているわけではありません。聞き流している時間帯もかなりあります。でも興味がある話題の時は自然に頭に入ってきます。日本語のラジオを聴いている時と同じです。

半年ぐらい経った頃から、別のポッドキャストにも手を伸ばしたり、 Youtube動画を見たり、少しずつ自分の「可動域」を広げています。1年前は聞いても分からなかったのに、改めて今聞いてみると、思わず声をあげて笑ってしまうぐらい面白くなっていたりすることも多々あります。つまり、多少はリスニングの力が進歩しているのでしょう。


最大のモチベーションアップ

1年間、ただポッドキャストを聴いているだけなので、未だに話すことは全然出来ません。しかし、多聴は確実に効果が出ています。

好きなミュージシャンのインタビューを聞いたら、何を話しているのか、だんだん分かるようになってきた!

私にとってはこれ以上のご褒美はありません。 1年前は1割ぐらいしか分かりませんでしたが(つまり何も分かりませんでした)、今は6割~7割ぐらいは理解出来ていると思います。ワーイ!もっと頑張ろう!!!

今のところ、英語への取り組みは、ひたすらポッドキャストを聞く事だけです。休みの日にはそれに加えて多少の文法問題を解いたり、英作文もやります。そろそろスカイプ英会話も再開しようと思っています。

自分を甘やかしつつ、面白いこと以外はやらずに、なんとかしようとするのが私の無茶な英語学習のアプローチです。このまま続けて本当に英語が話せるようになるのか?!もしかしたら20年ぐらいかかるかもしれませんが、続けていればそのうちなんとかなるでしょう!(楽観的)


英語事始


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私と英語

私の過去の英語経験?については、取り立ててお話するような事は何もなく、学生時代、特に得意だった記憶も無ければ、特別苦手だったという記憶もありません。大学時代は恐らく一般の文系学部より多少は多めの英語関連の単位を取る必要がありましたが(といっても英語の専門学部などではありません)、それで苦労をしたということもありませんでした。


イギリス旅行に英語は必要か

とにかくイギリス旅行には英会話が必要…

と思われがちですが、実は、日本で必要な手配をして、ライブを見に行って帰ってくるだけなら、ほとんど英語を話さなくても何とかなると思います。実際、何とかなりました。

便利な世の中です。英語で書かれたWEBサイトで色々準備をする必要がありますが、 イギリスに限っていえば、 クレジットカードと辞書や翻訳サイトを使えば大概の事は何とかなります。つまり「ネット上の英文がそこそこ読めれば」、飛行機、宿、鉄道の乗車券と指定券、ライブチケット、全てオンラインで手配が可能なのです。

よほどコミュニケーション能力が高くて度胸がある方なら別ですが、冷や汗をかきながら現地でネイティブの方と英語で会話を試みるよりは、事前に念入りに準備をしていったほうがずっと楽だと思います。

ただし、最低限の人的接触は避けられません。ホテルや飛行機のチェックインで毎回緊張し、困ったことがあった時に誰かに声をかけるのにかなりの勇気を要し、スーパーで買い物するのにレジの順番が近づいてきただけでドキドキし、 恐ろしくて飲食店にはほとんど入ったことが無い、という状況のままで、これからも旅を続けたいのかといわれると、それなりに辛い。やはり少しは英語の勉強を頑張ったほうが旅行は楽になるとは思います。


私の英語学習のモチベーション

実は「少しは英語を勉強したほうが楽になる」…というのは、個人的な気持ちとしてはちょっぴりウソです。

正直言って「切実に」英会話の必要性を感じています。

ライブを見るために初めてひとりでイギリスに行った際、英語力の必要性を痛感して帰ってきました。

一番の問題は、ライブ中にステージでミュージシャンが話しているMCの内容が全く分からない!そして運良くミュージシャンの皆さんに直接会う機会があっても、何も話せないことです!

最前列でライブを見てても、何を言ってるのか全然分からないのです

ライブの曲間にミュージシャンがステージで何かジョークを言って、オーディエンスが爆笑したりして、みんな楽しそうなんですよとても。時には客席とステージで会話したりして。それを聞いてみんながまた笑ったりして。それが私だけ全然分からない。みんないいなぁ、楽しそうだなぁ、と思います。

そしてライブ後に運良くご本人に会えたとします。サインプリーズ?といえばサインしてくれるし、フォト?プリーズ ?って言えば一緒に写真を撮ってくれますよ、そりゃ。ろくに英語も話せないのにイギリスまで自分たちのライブを見に来てくれたファンを、邪険に扱うミュージシャンは恐らくそんなに多くはありません。

でもそうじゃないんですよ!もっと色々言いたいんです。自分が日本から見に来たこととか、今日のライブも最高でしたとか、日本でも沢山のファンがあなたを待ってますとか、色々伝えたい事があるわけです!

それに英語が分からないままでは、ラジオやYoutube、ポッドキャストでインタビューを聞いても、この先ずっと「良い声だな〜」としか思えないということになります。もしかしたら重要な発表をしているかもしれないのに!

さらにいうと、万が一異世界にワープして、大好きなミュージシャンとアフタヌーンティーをご一緒するような事件が起きたらどうしたらいいんでしょうか(妄想)。何も会話が出来ない。これは由々しき問題です。 会話してる時にGoogle翻訳を立ち上げてそこに音声入力してもらってそれを日本語に翻訳するのはマヌケのひと言です。全然楽しくない。そんな事では2度目のアフタヌーンティーのお誘いは来ないでしょう(妄想)。切実です。


私の英語レベル

さて、英語の話です。私が一番最後にお金を払って試験らしきものを受けたのは25年ほど前でしょうか。当時、多分TOEICで600点ぐらい、TOEFLで500点ぐらい、英検は最後に取ったのが2級だったような気がします。恐らくその頃が私の英語試験の点数のピークだったと思いますが、その時でさえ英語での会話はほとんどできませんでした。(昔は試験にスピーキングセクションなどというものは無かったのです。)

そして2017年、イギリスまでライブを見に行こうと決心した時の私の英語の状況は、下記のようなものでした。

・20年以上英語の試験を受けていない。
・公私共に英語を読み書きする機会も必要も無い。
・20年以上外国人にもかかわりは全く無い。英語で道を聞かれる機会すら無い。
・パスポートはとっくに切れており、最後に海外に行ったのは15年ぐらい前(観光旅行)。

これは正直言って旅行にも事欠くレベルです。英語が全く口から出てこない状態。 誇張ではなく、サンキューとハローぐらいしか言えないし、当然現地のイギリス人が話しているスピードの英語は、言葉ではなく、ほとんどただの音にしか聞こえません。


私が必要とする英語

私に必要なのはTOEICでも英検でもIELTSでもありません。 私の職場では昇進するのに TOEIC のハイスコアが必要な仕組みなどありませんし、そもそもその気も無い。外資系企業に勤める気も無いし、留学する訳ではないし、今更アカデミックな世界に行きたい訳でもありません。英文学を原書で読みたいとか、映画やドラマを字幕無しで見たいとか、そんな大それたことは全然考えていません。

私の英語学習の目標は、イギリス旅行中に出会う人々が何を言っているのか分かるようになること。自分で言いたいことが言えること。そして現地で飲食店に気軽に入れるようになることです。

考え方によっては試験で高得点を取るよりも難しいこの課題に2017年から取り組んだり諦めたり、また取り組んだりしています。昔以上にポンコツになった頭で、ほとんどゼロからやり直しの英語学習が続いています。


おまけ

落語家の柳家小三治さんが50歳ぐらいの時に一念発起してアメリカに3週間の語学留学をした時の話。

小三治さんが現地の語学学校になんとかひとりでたどり着いてみると、どういうわけか既にコースが始まっており、 受付の人がどうやら途中参加は許可できないというような事を言っている(らしい)。そして入学の手続きをしてくれない…。

「最終学歴は予備校中退、英語の最終学歴は中学二年生」の小三治さんが、涙目になりながらどうやってそれを乗り切ったか。

少し長いですが*、英語が出来ない人間として本当に、心から気持ちが分かるし、いつもの事ながら面白すぎます。小三治さん、私も英語の勉強頑張ります!

*長いですが音声のみなので、家事などしながら気軽に楽しめると思います。